のわき

野分の過ぎたあしたは、いみじうあはれにをかしけれ 独特な風情あるものだ。まだ八月のうちの大風の後、何時も寄る不動堂に詣でた。 台風一過の見事に晴れ上がった空をめでてからふと足元に目を移すと、柱の下に雀の子がまん丸に身をすくめて居った。風で巣…

つきかわり

九月の存在の薄いこと薄いこと。毎年のことかもしれないが行ってしまった九月になんか言いたかった。けど、よぎる言葉は雲をつかむように消えてって。。。 ここの次を考えるのも面倒なのだが、どっか引っ越し先を探さないかんみたい。 台風一過、この晴天が…

ついたちにさく

隙間植物 百合の花 猛暑にめげず 本日やっと 開花に至る それと 数珠玉の花芽も

読書感想

初めて深い水のなかをおよいだ。だれもみていないときに、ひとりでやってのけたのだ。水あび岩から向こうの岩のさきっぽまで四ストロークだった。あの〈底なし水〉については前もってじっくり考え、それから一気に飛びこんだ。わたしの下の水は黒いが、そん…

既に晩夏のけだるさ

いつもなら晩夏の風物詩を早引っ張り出した。森の中のプールで 禁止された飛び込みと潜水を決行する まだ客の少ない午前中 監視員も見て見ぬふりをしてくれるんで。。 飛び込む角度が大切 気が付けば 水深の深いプールの底をお腹を擦るように泳いでいる ひと…

メタモルフォーゼ考

目青不動尊の夜叉塚のわきに咲く萼紫陽花である。 今年は少し盛りを過ぎたか色が冴えないが、毎年その目の覚めるような青に感心させられている。 何度か参るうち、鏑木清方の描くところの「一葉女史の墓」とイメージがダブり始め、いまや私の中でこの紫陽花…

秘色

出光美術館へ「宋磁 神秘の焼き物展」を見に行く。 楽しみで見に行くのだけれど、矢張りあの深山幽谷に抱かれた沼のような秘色色に引き込まれて、ずぶずぶ沈んでゆくような後味がなかなか抜けずに往生している。陰刻の釉の溜まりに足を取られて助けを呼ぼう…

梅雨入りまぢか

急にじとっと重い梅雨の気配に覆い被さられたみたいでクシャっとなってる。酸素過多に疲れるみたいな… 夏休みに高原へ連れていかれて濃い空気にやられる都会育ち病のflashback。梅雨の入りはそんな感じがする。もしかしたら数日前の出先で樹木の精霊を連れ帰…

気まぐれが得た景色

今年の散歩はついている。一日の隙間に咲き乱れあふれる花々の瞬間があった!

金沢文庫

連休中に大倉山で拾った情報を起爆として金沢文庫へ出向いてみた。 兼ねてから隣接する称名寺の浄土式庭園を見てみたかったというのもある。とはいうものの発掘調査を経て復元されたのが1990年ごろのことであるから三十年近くたっちゃってる!!気の長い…

すみれのこと

私の庭にある菫はアリアケスミレという種類らしい。和訓栞(わくんのしおり)という江戸末期から明治初め頃にかけて刊行されていた国語辞書によれば 「ありあけ、有明の義、十六夜以下は夜はすでに明くるに月はなほ入らである故に云うなり」 明け方のぼんや…

咲いた

君は曇った日が好きなんだな。確か去年も。。この時期の植物は乾いている。 飢えたように水を欲していて怖いくらい 青い血の流れる獰猛な生き物である君

間も無く咲く

春の時間は夢のように過ぎてゆく。 ながいのかみじかいのか はかることと無縁の世界 みつけた

やよい

萌え出ずる わかばの色ぞ 美しき

演奏会

余韻と手触り 明け方の雲が色を変えてゆくように 黄昏の空気は冷えてゆくように 音楽はことばにならない時代の変化を映す http://d.hatena.ne.jp/AVRIL/searchdiary?word=%B9%E2%B6%B6%CD%AA%BC%A3https://youtu.be/5iA6CGQ-Tjg

弥生

雷の音で目覚めた弥生端の日は昼時には雲一つなく晴れた。本日もそうである 雲一つない空というのに何処となく不安のようなものを感じるのは私だけだろうか。寄る辺ない不安とでもいおうか、突然、表情のない美人の前に引き出されて気まずい居心地悪さを味わ…

春の気配

春の気配 睡魔が差して水中で揺ら揺らしているような感じ 季節が変わったもうじきつきもかわる

蠟梅

陰暦の臘月に咲くから蠟梅という説があるが、見てくれが蝋細工に似るからというのもある。私はこの硬い質感の奇妙な花から楚々とは遠い趣の梅の威を借る徒花(あだばな)といった感じを受ける。一般的な美の概念からそれたとでもいうか。。 唐梅とも言い、中…

御神籤

もえ出ずる わかばの色ぞ 美しき 花さき実る 末も見えつつ 龗 末見えて 朽ち葉の色も 褪せにけり 実を待つ辛抱 失せにけるらん 夢子

これで年越そう!

かっこいいな

訃報

人間って勝手なもので、普段死について語る時、そんなのあたりまえのことだ とか いつかは死ぬのだから とか 言ってるくせに 親しいもの 近しいものの訃報を聞くと あらかじめ覚悟をし、備えのできた者の心境で事態を受け入れることはできないものだ。まして…

暗い木曜日

あまおとを きいてるだけで ぬれねずみ

昼と夜が鬩ぎ合う季節

昨日は妙に時間がゆっくり流れていたように思った。 一週間も続く秋雨の一日というだけでなく、なんか不思議な力が働いたような。。ゆったり流れに身を任せていたら。。。 打って変った今朝よりの晴れ空の下、時はあれよと過ぎ去り、欺かれた気分 湿気を含ん…

愚図を極めた人の秋

季節の移り変わりのスピードが速くって、ついて往くだけで息が上がるくらい消耗している。 疲れているものだから、気を失うように眠りにつく毎日を送っていると、今という時間から徐々に離れて、気が付いたころには取り戻す気も起らないほどに後れを取ってい…

秋の色

紅花の赤い色素は自ら光るそうだ。 自家発光する赤なのだ。光によって認識されるだけではなく、自ら色を主張する色 ということなのだろうか? 先だって、まだ青い銀杏が落ちているのを見て、もうじき銀杏拾いの楽しみがやってくるのだなと細やかな楽しみの到…

常盤忍

此奴はこの気候が好きなのだ。湿気が多く、曇天で、急に気温が下がる今日みたいな日は好物のメランコリーがたくさん落ちている逃げ場のない酷暑から解放された人は、突然与えられたこんな気候の中で、安堵とか喜びとかを感じるよりも先に根拠のない不安に囚…

晩夏の景色

不思議な夏だった。 植物の活動はすべて遅れ気味ながらここへきて盛ん 忍草は旧葉の紅葉と新芽の目覚めが同時にスローモーションの時間の中で同時進行中 数珠玉は沢山実をつけてはいるが白化したお骨のような軽い実だ それを遅れて咲く決意をした百合の花が…

靴の話

先日、衝動買いでスニーカーを買った。 物を買わないとなると食べ物以外何も買わない。しかししばらくすると何に対しても興味を持てない自分を感じて慌てるのだ。その結果がある日突然の衝動買い!みたいな形で表出する。のではないかっておもう 連日の猛暑…

六月も余すところ

六月 串田孫一六月のねむい大気 それをいいことにして 六月の太陽は霞み それをいいことにして 私は機嫌がよくない きんきん鳴る野暮な耳 では遠くを見よ 今日は遠くも 六月の大気 夏の邑欝。明るさや華やかさのかげにかくれて、沈黙の夏は邑欝な想いにやつ…

晴れ空

夕刻に傘を持って出かけると、用を足しているうちにあっという間に晴れあがってしまった。 面白い空だった。何層もの雲の層が確認できて、一番下の雲の流れのはやいこと。 速度も色も何層にもなった雲の奥に見える青空の蒼の鮮やかなこと 雨過天晴雲破處(う…