一括散歩

序に告ぐ序で終日歩く。家の周りは葉桜で 出かけた先には八重に枝垂れと紫木蓮まで今を盛りに咲いていて一月遡ったみたいだった。
藤田の猫が見たくて竹橋まで足を伸ばすも 油絵の中の猫しかいなくて 見たい猫はいなかった。
藤田は嫌いではないのだがアレだけ一堂に迫られるとかなり疲れる。藤田ほどマチエールに固執した絵描きも居ないのではないかとすら思う。だからなのか晩年の宗教画とか戦時下の絵の前にはいたたまれない空気があって 気まぐれの行き先を誤ったのではないかというほど疲れた。
大仏次郎が藤田の銅版の猫を数点持っていて 横浜にある記念館の喫茶室で五六枚のポストカードにして売っていたのを買って擱けばよかったと今思う。まだあるだろうか。。。


大収穫もあったのだ!等身大の三木富雄の耳。収蔵品展の正面にあった。