またまた夢の話

所は試験週間中の教室。時は放課後。なので明日に備えて人気はあっという間に引けている。私はというと鼻歌混じりに小鳥に餌をやったり花に水をやったり一人遊んでいて帰り支度の先生が通りかかって言葉を交わすも「早く帰りなさいよ。」の一言も無い。忘れ物か何かで慌てて入ってきた同級生に「明日の試験なんだっけ?」と聞いても教える時も惜しむように帰ってしまう。誰も何も言わないので帰って勉強デモするかと帰り支度をしていると「夢ちゃん。か・え・ろ」ランドセルを背負った何時もの二人が迎えにやってきたのでカバンを引っつかむと何もかも放り出して「遅いじゃん!」と外へ飛び出していった。元は高校生だったのに。。。



雨の降りそうな午後、漫ろに歩きに出てみた。五六粒の銀杏をこの時期にまだ拾えるとは尋常ではないがすっかり冬の景色だ。枝だけになった木のシルエットに実の様な物が生っていて、近づいてみれば寒雀。ぷっくりしていて旨いと言われるのも頷ける。枝からポロリと落ちてきそう。帰途につく頃全ての大気が淡い紅色に染まっていて靴底が地表から数ミリ離れた。