バレンタイン前夜

今夜あたりは普段台所に立つことの無いお嬢さん方も徹夜でチョコレートと格闘したりするのだろうか。
料理はするがお菓子作りはとんとしない。やったことはあるが十代の一二年に集中している。ケーキとかクッキーとか大概の洋菓子やこしつぶしのあんこ系とひととおりは試してみたし喰えるものは作れたがやめた。なぜかと言えばお菓子には目分量は利かない。洋菓子は卵バター砂糖小麦粉のバランスが大切でどれが多すぎても少なすぎても物にはならないしレシピが必要で正確に測らねばならないからだ。甘み控えめ油控えめは単純に砂糖少なめバター少なめにはならないのだ。味についてもどんなに上手くいっても手作り感、シロト臭さが残る。この素人臭さが好きではないなという私的結論が出たのも理由だな。チョコレートに関しては温度タイミングだけでなく勘みたいなものが必要な気がして触る気も起きず専ら食すだけに甘んじる。
今宵はあえて挑戦する少女たちの鍋を覗き込む魔女のような視線で夜空に何か異様な兆しが現れるかもです。