いつもの

もう一年巡ったか。間の年月を思うと気が遠くなる。長かったと言うのでなくこの一年に何か一つでも特別な日を配して上げられなかったことを引け目に思いながら、今日は鶏・マッシュポテト・野菜のグラッセ・グリーンサラダ・オニオングラタンスープ。
今年の鶏はコンフィという調理法を試してみることにした。これは脅威の保存食と言われ、鴨とかホロホロ鳥とか狩猟の獲物を長く保存するための調理法である。
三日前から取り掛かった。一日目:タイムとかローズマリー、ロリエとともに一晩塩漬けにし二日目:被る位の油で100℃を超えない温度を保ちながら半日煮る。三日目:油から取り出してオーブンでこげ色が付くまで焼く。
鳥は焼くだけに準備ができているが、本当に手間をかけた分旨く楽しみなのがオニオンスープかもしれない。弱火で30分ほどかけて飴色に炒めた玉葱の甘さは格別なものが在る。いくら旨くても日々かけられる労力ではないのでこれを作るのはクリスマスだけと決めているからこそのご馳走だ。器に盛り付けてからガーリックトーストたっぷりのチーズを乗せてオーブンで焼く。
ありきたりの食材を丁寧に調理して感謝の食卓を作る。クリスチャンでは無いけれど今日の台所は一際が楽しく華やいでいる。

玉葱を炒めるのに実際は50分かかった。冷蔵庫に半分残ったのも追加してしまった所為かも知れない。