盆休み

この暑さで遠方へ出かける気力も体力も無く、毎年「どうせどこへ行っても人ごみだ」といって家で塒を巻く。田舎の無いものの悔し紛れの口癖だが今年は三年に一度の地の祭りがあって肩身も狭く無い。
法会中、声明に合わせて蓮華の花びらを撒き散らすのを散華というのだと思うが、戦時中戦死を指す言葉として使ったというのを聞いたことがあり、悲しい誤用だと思う。
父が大学の途中から海軍に所属したというのは聞いていたが、家の中で戦争の話は殆ど聞かずに育った。それは祖父母の意向で家の決まりごとでもあった。子供を怯えさせたくなかったのだろうし、口にもしたくないほど厭なことだったのだろうが、子には十分恐ろしい悪だということは伝わった。
各地の盆の行事をニュースなどで見るに度に、終戦がこの時期なのは偶然ではないのではないかと思ったりもする。

  • 供養

父が選手であったから、体操だけは熱心に見る。贔屓目かもしれないがこの国の体操競技は実に美しいと思う。メダルなんか逃したって・・・ヤッパリ獲得して欲しい。「戦争が無かったらオリンピックに出ていたと思う」彼はそう言っていた。