ルドゥーテ の薔薇

久方ぶりに横浜に出かけた。目的はハンカチーフのワゴンで毎年のささやかな贅沢である。収穫はというとあまりなく、無難なものを数枚手に入れただけで、誰かにあげたりなんかして手元にはのこらないだろう。少し気落ちして迷路のような地下街をあてどなく歩いていると、ぽっかり人気のない吹き抜けへ出た。ホテルの裏門みたいなところで暫くいると凍えそうに寒いのだが人ごみに疲れた身にとってはありがたい。人心地がついて周りを見回すと壁沿いに十数枚の絵が並んでいる。端から見てみようと近寄ってみるとそれは絵ではなくアクリル板に封じ込められた本物のスカーフやポケットチーフで嬉しくなって二往復はしただろうか。横浜の特産品としてスカーフをあげる人は最近ではあまりいないような気がするが輸出品として大活躍をしていた時期もあるのだ。中でもシルクの地に精巧な細密の薔薇を染めたスカーフが美しく懐かしかった。収穫はあった!
ピエール・ルイス・ルドゥーテ http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB%EF%BC%9D%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BC%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%86&oldid=23335996