甲虫

去年のことだった。落ち葉とか花殻とかの掃溜めに大きな虫の幼虫を見つけてもしかしたら兜虫かもしれないと熱心に飼育法を調べ飼ってみたことがある。ネツカフェの大瓶に七八分腐葉土を詰め蓋に針穴をいくつかあけ真っ白いカブト虫の幼生を楽しみに待ったが、ある日腐葉土の上に載っていたのは白い星をつけた黄金虫であった。去年のことだから記憶はまだはっきりしていて、鉢底から進入して捩花の根を食った犯人が何者であるかは直にわかった。一ヶ月期待と供に見つめ続けたのだから。今にして思えば写真なりに撮っておけばよかったのだがさっさと近所の草むらへ放してしまった。芋虫は出来るだけ遠く投げたがまさか里帰りのつもりじゃないだろうな。。カブトムシは甲虫とも書くようである。