野草と雑草覚書

野草というのは字のごとく原野山林に自然に生えている草本類のことで、人の手が入って植生が壊された田畑・路傍・庭などに生える有害無益な草雑草と区別される。
英語でも野草をwild grass 雑草をweedと区別していて、野草はあえて庭に植栽されたり山菜として珍重されたりするのに比べ、雑草は大方、人の意図を阻む植物で外来植物も多く、その逞しい生命力がゆえに嫌われることが多いようだ。
水引草などは野草の内に入るのだろう。昔わざわざ何処かから持ち帰り庭に植わっていて好きだったのを思い出すが、今大枚はたいてでもとは思わない。
耳菜草(ミミナグサ)・狗尾草(エノコログサ)・蚊帳吊草(カヤツリソウ)・野襤褸菊(ノボロギク)・錦草・犬莧(イヌヒユ)・豚草 などが雑草の代表格で挙げられる。葉がねずみの耳のよう、別名ねこじゃらし、襤褸布のような葉、と身近な名をつけられて愛されているじゃあないか。来年は野草雑草のポケット図鑑を見つけてあの草この草の名前が知りたいな。