筍一本

筍一本。先のほうで木の芽寿司に姫皮のおみお付け、中ほどで炊き込みご飯、一番固いところを豚バラか牛肉で濃い目に煮付けてみようかと思っていたところ、朝テレビで春巻きを見てしまった。で今日は春巻きにしよう。早めに買いに出ないと売り切れるといけない。テレビのはもやしと韮を使っていて、それもいいが筍を始末せねば。
春巻きというのは元来始末料理なのだと思っている。中の具は何だっていい。封をして蒸し焼きの形にすると食べ物は驚くほど旨くなる。油紙で包んだ牛肉、奉書で包んだ鱸、パン粉とチーズで覆ったグラタン調理だって蒸し焼きの魔法なのではないだろうか。 
とは言うもののうちの春巻きの具は決まっちゃっている。豚肉の薄切りが少々余った時、葱がふんだんにある時、そして筍がある時に作る。全てを細切りにして生姜も微塵かせん切り、今のは柔らかいからせん切りが良いかもしれない。あれば少量の干し海老の微塵、くどくなるのでいれずともよし。繋ぎを片栗ではなく春雨にするのがうち流。中の具が少ない分、これでもかと味を入れる、ガラスープに牡蠣油。筍がないときは蓮を使うか。。早めに具の準備をして皮を求めにゆかなければ。なかったら如何しよう。