どっちゆこう

歴史と神話の狭間で迷子になっている。
三が日にテレビで見た歌舞伎の土蜘蛛は葛城山出身の妖怪だ。去年の狐も葛城山が発祥の地だったな。
葛城山は大阪と奈良県にまたがる修験道霊場の山と、和歌山との境にある信太山を含む和泉葛城山と二つあるようだ。地図で見てみるとさほど離れてはいないところに同じ名を持つ山が二つある。
信太山には古墳が多く、中でも黄金塚は魏の景初三年(239)銘の青銅鏡出土で有名である。古墳文化時代、弥生時代を脱してやっと金属を手にした金石併用時代、卑弥呼が現れたとされる時代。気が遠くなるほどの昔と思って年表を紐解けば我が国の歴史はなんて若い。
墓所の多い地域ということから異界とされ、葛の葉伝説とか土蜘蛛説話のようなものができあがったのだろうと思っていた。ところが国家として形作られる段階で、反体制勢力として服従を拒んだ民の蔑称が土雲国栖であり、それぞれ、くも・くずと読め、そおいうことだったのかと妙に納得する。
これより先、歴史を学べばよいのか、物語を追うのがよいか悩む日々