電話

会わなくなってもうずいぶんになる友人から電話をもらう。返事したことが一呼吸おいてでなければ届かないのが遠い距離を、それによってしばしば起こる混線のような会話が会わない時間を思い知らせる。
揺れは大きく少し物が壊れたりしただけの被害のつもりでいたが『大丈夫か?』と安否を尋ねてくれる友人の声を聴いたとき何処か緊張の糸が解れた気がしてどっと疲れを覚えたのだった。
心細かったんだ、本当は。気づかせてくれて、解いてくれてありがとう。また会いたいね