青嵐

せいらんともよみ、青葉の茂る頃ふくやや強い風を言う。
だけれども、今頃に吹く強い風というのは、つい昨日あたり近づいてきて温帯低気圧になったような、勘違い台風みたいのがもたらす風くらいで、大方の青葉をわたる風は楽しげで凶悪なものはないとおもう。
ベランダの日当たりがあまり良くないこともあって、花を期待しない植栽にしてあるから余計思うのだろうけど、木蓮辛夷、桜、ハナミズキが終わったあたりから急に押し寄せてくる緑の季節自体をあおあらしと呼んでもいいのではないかと、また勝手に思ってもいるのである。
細かい繊毛に覆われた白に近い裏葉色、黄色みの強い黄緑などの若々しく弱弱しく微かな緑。マラカイトやエメラルドなどの鉱物系の圧倒的な華やかな緑。あるいは鈍色、緑青など金属に表される鋭いような緑もある。
植物の種類ごと違う緑が天気次第、時間次第、あるいは月の光、街灯などの光源次第で日々刻々と変化し、襲いかかるように、これでもかと、無限の色味の緑を見せつける。その荒々しく容赦ない様子を嵐に喩えたのかと。。。あおあらし