少し小ぶりかな。色も形も申し分はないのだけれど香りも甘さもまだ若い。かもしれない。桃好きとしてはこれを十二分に味わいたい。そこでブラマンジェを作ることにした。さんでぇーでぃなーのでざーととして相応しくちょっと贅沢に桃はピュレにして添えることにした。
ゼラチンを極力少なく使って拵えたブラマンジェはアーモンドのエッセンスで香りづける。バニラの甘ったるい香りがあまり好きではないのでもっぱらアーモンドを使う。ゼラチンは原料の動物性が生臭いような気がしてあまり好みではなかったが、ミルクやクリームとはまことに相性が良いことが分かった。
沸騰させないように、あらかじめ倍量の水でふやかしておいたゼラチンを他の材料に溶かし込み、漉したものを氷水でゆっくりととろみがつくまで絶えず撹拌しながら冷やす。ゆっくり時間をかけながらというのがコツみたいなもので急ぐと旨くないのが不思議だ。
白くゆったと固まった柔らかいブラマンジェの上に檸檬酢と洋酒を少々加えてミキサーにかかけただけの桃のピュレを注ぎかけミントの若葉を載せるとそれはそれは極上の夏のデザートとなる。
青酸はアーモンドの香り。ミステリーの香りも手伝っての涼も加わるってもんだ。