続青い鳥

それは確か未来の国という場面だったと思う。これから生まれようとする子供達が生まれてから成すことや患うことになる病なんかを纏めて生まれいでる準備を整えて、自分の時が来るのを待っている。
この場面が印象深いのは(私だけなのかもしれないが)これから生まれる子供たちの世界を描いているにもかかわらず、期待感や、希望が見えないことだった。おとぎ話の位置づけにありながら不思議な作品だなという印象を持ったのである。後に「日のもとに新たなることはない」という伝道の書の世界観までをそこに想った程だった。
探し求めた幸せの青い鳥は身近なところにいたという結末はかえって絶望感のような後味を残したが、また、この狭い世界観が気になり続けてもいる。
幼くして死ななければならない子供が死に至る病を用意しながら、楽しそうに言う。お父さんやお母さん、沢山の兄弟たちに会うのが楽しみなんだと。生まれる為に別れなければならない恋人たちが、会いに行くよ、会えばわかるから。。と束の間の別れを惜しむ。
世の中というのは、あらかじめ決まった縁を繋ぎなおすために絶えず生きなおしている世界なのかもしてない。そしてそれはメビウスの輪のように循環しているのではないか。。
薄い本だ。探しに行ってみるかな