古筆手鏡

週末は出光美術館へ出かけた。見分もいささか飛ばし気味の嫌いがあっていささか疲れる。静嘉堂に割引券さえおいていなければ。。残り一週間の開催、というのもあるが。
東風に定家、西行聖武天皇聖徳太子(伝)まである言霊方が、墨痕鮮やかにその威光で怠惰な我を打ち据えるのである。くらくら来た。
そんな中、癒しのように焼き物など数点が平場に展示されている計らいが有難かった。
唐津の向付があって。向付といっても筒茶碗を細身にして丈を伸ばしたような、その中に何盛るの、という形のそれは、どう見たってアツアツの焙じ茶を所望したくなる。手で覆うように握り持ち、左手で重さを支える。易々とその感触を、焙じたての茶のかほりごと想像させる代物であった。
喝!のみならず、もてなしの妙みたいなもまでも堪能させていただいたのだった。