夏至

一年中で太陽がもっとも北により、昼の時間が最も長い日。最も北によるというのがいまいちよく呑み込めないのだけれど、北極に近い国は白夜でほとんど夜のない一日だったりするのだろうか。そう考えてみるとたいそう神秘的な日なのだと思うが、この国においてはあまりありがたみも神秘性もない。梅雨でもあるし、日が長いといったって曇っていて雨がちのうっとおしい日々の一日に過ぎない。夏至って何か祭事でもあっただろうか。夏至に食べるものとか、夏至にすることとか、何もない。ないからかえって不思議な日だなと思わせる日でもある。