焼茄子

今季、既にもう二度ほどこさえているのだが昨日の茄子は新鮮すぎて爆発した。焼茄子の醍醐味はここにある。火力を最大にして滅多にはないのだけれどこの爆発を恐れず(ながら)果敢に火に向かう。うちでは焼き網では生ぬるいので炭起こし用の五徳を愛用している。
五徳に茄子を蔕を下にしてきっちり立てて並べる。逆から焼き始めると早く皮が破れて十分火が通るまでに旨味が失われてしまうから必ず蔕から焼き始めるのである。炭化して火が移るくらいまで焼を入れて大丈夫だ。中途半端はいけない。昨日はこの段階でおしりのほうが割れ、爆発したのだが、そんなことでひるんでいると飛び切り旨い焼茄子にはありつけないので、頑張る。
天地を返すのだが、既に中身は煮えくり返って柔らかにもなっているので全て返してもぴっちり五徳に収まるはずだ。終始火加減に手心加えることなく皮目全体を炭化させるくらまで焼くと、皮の下の実は程よく香ばしく、全体とろんとなめらかな素晴らしい焼き上がりになっているはずである。
熱いうちに皮をむく。断固水なんかにとってはならない。指先を流水で冷やしながら焦げた皮をむいてゆく。乾いた布巾で焦げをなるべく除いたら、裂く。大まかがよろしい。それをバットに並べたら薄く醤油で味付けた出汁を振りかけてよく冷やす。そばつゆ少量も良い。
供す折には茗荷の薄切り、おろし生姜、おかか。好みで生醤油。よく冷えた茄子の水分は独特のとろみがついてたまりません!