春へ

なんだろうこの速さは。。。一昨日は御一日なのでお赤飯を炊いて、明日はひな祭りで蒸し寿司をこしらえる算段。
二月には節分に撒く鬼打ち豆を炊きこんだ飯を幾度炊いたことだろう。節分用の鬼打ち豆は翌日には安売りされることもなく一斉に姿を消す。なので今年は少し余分に買っておき、二月中幾度か鬼打ち豆ご飯を炊き、存分にこの好物を味わったのであった。
こんな旨いのに何故平素に売らんのか。豆まき用に売られる豆は如何製造されるのかよくはわからないのだが、ただの煎り豆では上手いことこしらえられぬ。
飯炊き窯の中に何時もどうりに水加減をした米と、酒と塩、鬼打ち豆として売られている大豆を一掴みくらい入れて普段どうりに炊くだけである。すると硬すぎず心地の良い歯ごたえを残した豆と、その豆から出た濃厚なうまみに驚かされる飯が炊ける。今年は節分にしか味わえない不満を覚えておいたので、余分に買い存分に味わったので満足である
先日、早生のさやえんどうを見つけ、飯に炊く。春の香りに魅了され鬼打ち豆を卒業。気が付けば、これからの芹や蕗、竹の子を待ちわびる心持へと自然と気分が変わっている。明日は乾物を炊いて酢飯に漉き込み、たっぷり錦糸卵を用意して、絹さやと海老の甘酢なぞで化粧した熱々の蒸し寿司を拵えよう。菜の花と里芋の白みそ仕立ての御御御付けでもつければご馳走だ。