師走の風景

クリスマスに正月の支度、根拠なき慌ただしさからなるべく距離を置くのが私の師走。早い話が逃げて隠れることに徹しようとする。悪あがきにすぎないのは承知なのだけれど...
十二の数字が一巡して一の表記に戻ったら今度こそ薄汚れた自分史を、まっさらから始めるんだとでもいうように、不要なものを捨て磨き上げられた身の回りを整えることに没頭する人々。時間はいくらあっても足りぁあしない。世間は忙しくすることで都合の悪い記憶を見ぬふりをしているかのように動き、容赦のない時の流れにメリハリをつけて一寸だけ息つく隙を作ろうとして殺気立つ...  師走に漂う哀感みたいなもを増すばかりだというのに
人は何かが変わるということに多大な興味と熱意を持ってあたるが、一日たりとも同じではない変化し続ける時の流れはよく見ようとはしない