白侘助の花の咲く

AVRIL2015-12-28

先だって師走の襤褸市で手に入れた八重の白侘助の花が咲いた。
地衣類の手ごろなものはないだろうかと出かけたのだが、直径五センチ余りの鉢に十四五センチ高さの鉢上げされたばかりのような蕾をたんと付けたちょっと不安気な代物。間違いなくあっちが呼んだのに違いない。でなきゃ買う筋のものではないなといまだに思う。
元来椿は好きな植物で、鎌倉源氏山の子供の頭ほどある赤い花がどさっと花ごと落ちるさまとか、艶ある緑濃い葉、薫りで媚びない分厚い花びら。。
したが此奴には私が好む椿の要素がほとんどない。
侘助という名に惹かれたというのはあるだろう。詩仙堂で斑入りの侘助の盛りに出会ったことがあり、小いさく全開しない形態の花に奥床しい詫びた印象を持った。
てっきり詫び寂由来の花名とばかり思っていたが侘助の名は人名から来ているという説がある。朝顔などと同じに江戸の爛熟期、大江戸デカダンの熱狂から生まれた育種の落とし子的な品種ではないかと思うので、人名が名に配されていたとしても十分納得の行くところだ。

羽衣のような、帷子のような、ふわっと風に棚引くような花びらを持つ。椿からどんどん遠くのイメージを求めて行きついたって感じが孤独な妖精のようで哀れを。。。
娼婦マルグリット・ゴーチェか

https://youtu.be/49UZa0TO2zQ