中華街

AVRIL2016-06-03

夏の食卓に欠かせない凉拌生菜(リャンバンションツァイ)と皮蛋豆腐の材料を買いに出かける。
拘りに託けての里帰りみたいなものなのだが、ここでしか手に入らないものもある。
例えば、黄身のしっかりした皮蛋。透明で清涼感のある百パーセント緑豆の春雨。菊の花のお茶、クコの実、木耳…
これらを置く店を数件渡り歩くのを常にしている。同じ品でも店ごとに値が違うし珍しいものを手に入れるわくわく感もまだここらあたりには残っているから
中でもここ数年内のお気に入りの店がある。去年その店に豪い美人の嫁が来て片言で応対してくれるのが一寸楽しみなのだが、いない。軽い落胆を感知したのか奥の方からすごい勢いで一人の少女が走り出てきた。ナニホシイアルカ
若く真摯で熱意にあふれている。入用なものを手に取る度に説明をしだすので、菊花茶の入れ方を聞いてみた。すると目を輝かせて自分のやり方を伝授してくれる。言葉はつたないのだけど伝えようとする熱意が心地よく、言葉の外にある新たな知識を学んだように感じてえらく楽しい時が過ごせた。
気を良くしているとクコの実の大袋を持ってきて、コッチノガトクネ  嗚呼この子華僑なんだ