私は祖父母、両親、叔父叔母までいる大家族で育った。これだけそろえばどこの家だって摩擦も生じようってものだが、特に気性のきつい一族でもあったから、いったんもめると恐ろしいことになる。が平和であれば実に楽しい。その落差は大きかった。
この一族をまとめていたのが九州男児の祖父で、何か特別な指令を出していたわけではないのだが祖父が前を通っただけでみんな居住まいを正した。なんといっても祖父が一番偉い。年功序列のピラミッドが完璧に形成されていたのである。
私が十の時、彼が死んだ。大晦日のことで、心臓の発作で一瞬だった。几帳面でまじめな祖父らしい終焉であった。
ピラミッドは二度と形成されることは無かったし、揉め事には禍根が残り、徐々に年功序列の鉄則は崩れていった。致し方なかったと今は思っている。後に続くオーラが無かったのだから。。
祖父が居た時期は、私が認められる、最良の家族組織だと思っている。
そのとき植えつけられた年功序列の価値観は私の中で根付いた。が全ての年上を敬うわけではない。敬うのは資質ある人物、頭のよい人物等等優れた人。。。しかし基本は年の順!