2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

余韻

古筆を内容もわからぬまま見てゆくと、ぐっと引き込まれるような感覚を覚える筆がある。この人格好きだな、とかこの感覚の持ち主には同調できるとか、ちょうど良い言い方が思いつかないのだけれど、そんな感覚にとらわれて思わず立ち止まって見入ると、ふわ…

外出

この時期毎度のことなのだけれど、きょうなどのように最高気温16℃とかいう予報が出た日、一寸歩けば汗ばむくらいの陽気になるのだろうと勝手な予測をし、おずおずと少し薄着で出かける。外じゃ歩き回って止まることはないからこれでいいのだと、大袈裟にち…

古筆手鏡

週末は出光美術館へ出かけた。見分もいささか飛ばし気味の嫌いがあっていささか疲れる。静嘉堂に割引券さえおいていなければ。。残り一週間の開催、というのもあるが。 東風に定家、西行に聖武天皇、聖徳太子(伝)まである言霊方が、墨痕鮮やかにその威光で…

もう一つの散策

書こうと思って失念していたことがあった。書こうと思っていたことが何かあったのはしっかり覚えていたのだが、それが何なのか思い出せない。間にあの刀剣が入り込んでその記憶を断ってしまったかのようで思い起こすのにちょっと苦しみを要した。 所要があり…

弱気の虫も這いだす今日この頃

春の荒い風が行き逢うものすべてに肩を当て理不尽に物言いをつける。何かにイライラして大声で当り散らすかのよう。つい二三日前のちょっと大きな地震にかつて無く怯えるような感じを覚えてから、どうも、街往くにもちゃんと歩けているのかすら不審を抱くよ…

かをり

静嘉堂文庫の庭は盛りの梅でそれは美しかった。があれだけ咲いているのにもかかわらず、一月の末から二月の寒さの厳しい頃のほころび始めを思うと、そのあでやかな姿と引き換えに、かをりの神髄を忘れてしまったような、浅い香りをちょっと淋しく思う。 それ…

静嘉堂文庫美術館へ

週末、静嘉堂文庫美術館の「サムライたちの美学」を見に出かける。タイトルが癪に障る。日本のダンディズムとでもしたらいいものを。まあそうであっても気に入りはしないだろうが。。。 展示の大半は抜身の刀剣である。そしてそれは期待していた以上のものだ…

蛙の卵

近所の神社の裏に小さな弁天様の祠(ほこら)があり、祠の前には小さな池があって、ちょろちょろ僅かの湧水がたまって池を形成するような拵えになっている。昔は本当の湧水であったろうが、すぐわきの道は交通量が多く、周りは延々と宅地が連なって、いまや…

超写実

NHK【極上美の饗宴】ブリューゲル「バベルの塔」を見る。 池袋の東武美術館の杮落しが確かブリューゲルだったかな。たしか。。東武美術館閉館(2000年1月25日)レゾネがどこかにあるはずだから後で探してみよう。はともかく、まあ何とも素敵な企画で、木の上…