2008-01-01から1年間の記事一覧

大晦日

二三日前からすっかり曜日とか日日の感覚をなくしていて、いまや暦がリセットされる瞬間を待つだけになった。 幼い頃とちっとも変わらない時間が流れている。明くる朝は新しい年で、早めの風呂をつかい新しい着物を枕元において床に就く。今日という日の時間…

晩餐

今日はクリスマスイヴで夕餉の素材は毎年殆ど同じだ。朝から玉葱を炒めたおしてオニオングラタンスープの仕度に取り掛かっている。今年は一時間と十分かかり去年より完成度は高いと思う。骨付き足の調理法を赤ワインで煮るフランス風シチュウにすることにし…

ガラスの雪

クリスマスが近づくと庭に下ろしてあった樅の木が掘り起こされ、押入れの奥にしまってあった飾りを詰めた箱が引きだされる。それは物心ついてから毎年繰り返される家の行事で結構長く続いた。 毎年箱の中の飾りが増えあるいは失われてゆく中で一番懐かしく思…

クリスマス間近

本日晴天の空は青く美しけれど風強く極めて寒し。天気予報ではクリスマスに雪が降る可能性の検証などをしはじめた。st鍵爪の故郷は北欧なので雪との因縁ありかもしれないがエルサレムに雪は降るのだろうか?

午睡

午前中に溜まっていた家事などで少し動いた所為か疲れる。一寸横になり一瞬意識が薄れると、普段昼寝などしないもので抑止力でも働いたのか反射的に目が覚める。何かの夢を見たらしく微笑んで。暫くふわっと笑っていて、何がそんなに楽しかったのだろう。。…

猫街

小惑星の名に金子みすずと中原中也の名がついたというニュースを聞いた。みすずと中也は本物の星になった。 丁度、萩原朔太郎の「猫街」を読んでいて、五十を超えてやっと先を行こうという気になっていたらしいこの人を思った。星になることが名誉ならこの人…

時過ぎやすく 

時過ぎやすく 暮れは近し 朝日照るまーに勤しめよ 賛美歌の歌詞だ。日がくれるのが早くやらなきゃいけないことが降って湧いたみたいに出現するこの時期につい口ずさんでしまう。常日頃のたりのたりと暮らしている者には年に一度くらいこんな試練のときが必要…

このシステムはいいかもしれない

たとえばこんなの。 秋祭りで出かけたときに見かけた臙脂の帯に山吹色の浴衣の少女は夏に読み返した吉野葛の津村の母みたいだな。神社のお堂に住み着いた若い狐が食べ物を得る為に里へ降りてきて、まだ化けるのが旨くなくひもじくて夏祭りの人群れに紛れ込ん…

無理

小説なんか書いてみたい。おこがましくも童話などがほんとは描きたい。鬼っこなのでかわいくは描けない。無理か。。森茉莉が「母の胎内に努力すると言うことを置き忘れてきたような人間」と自分を称していたが、全くの同類だなこの人は。。と思いながら引っ…

闘病

風邪を引き部屋を暖めて夕飯などはあるものでと決め込む。あれをしなくちゃこれもしなくちゃ買い物へも出なければなどと考えて過ごす日常にない安心みたいなものが病の回復を遅らせるのではないか。などと微熱にぼわんとしながら考えたりしている。 数日前乗…

ついうかうかと

「天下も静かならず、御悩も一方ならず、世の中はうかうかとして年も暮れぬ。」椿葉記 伏見宮貞成親王という室町時代の皇族の作で、椿葉はちんようと読み荘子から借りた言葉。長い年月を喩える八千歳を春として八千歳を秋とする太古の大木だそうである。 荘…

万世節

街へ出るとオレンジ色の南瓜が目鼻を描かれて並んでいて華やかだ。降誕祭とか復活祭というのは分かるがハロウィンという祭りの由来がよく分からないでいる。諸聖人の祝日とも言われるが諸聖人とは誰をさすのか。。 もとは精霊や魔女を信じていたケルト人の祭…

十六夜

ぐっと泣きたくなるような秋の気分を溜め込んで思いっきり物思いに沈むもよし、ワーッと泣いて紅葉狩りに繰り出すもよい。私的には落ち葉を掃き集めて芋なんかくべて焚き火なぞしたい。 一寸はっきりしないのだが本日の月を十六夜の月というのではないかと思…

端切れ

近所の生地屋が引っ越すというのでバーゲンをやっていて、何かに出来そうだし。。数枚購入する。こういった場合の殆どが山と積まれた端切れの山にダイブして好み探しに没頭したいだけなのだ。買ったはいいがアイディアが重複し無駄を出すまいと思うけちな性…

堂守

春以来不在になった立ち寄り先のお堂の正面に頭の天辺に赤毛をあしらった変わった柄の猫が待っていた。近寄っても動じず、しゃがんで見据えるとまるで喋る様にぺちゃぺちゃと口を動かす。ひとしきり口上を述べ終わると数段の階段をゆっくり上り賽銭箱の脇に…

のの池

ののというのは神仏・日月など、すべて尊崇するものの称。 ととさんやあのののさんがかかさんか 一茶 幼児語で神仏のことを言う。ひらがなののという文字に由来しているとばかり思っていて調べてみてなるほどと納得した。 社の後ろにケヤキの大木があって、…

物忘れの妙薬茗荷

好物なもので素麺をはじめとする麺類冷奴味噌汁などの薬味として、また糠漬け塩もみ梅酢漬けなどの箸休めなどとこの夏も盛大に食った。俗説で茗荷を食べ過ぎると物忘れし愚鈍になるといわれている。昨今諸事情を見るにそれもいいかとも思うのだが旬を過ぎ半…

宵宮

宵祭に同じ。祭日の前日の小祭り。夏の季語。夕刻でかけてみた。本殿に挨拶をすると夜店を回り歩くのを楽しみにしているのだが今年は店の数も少なくつまらないので麦酒一本焼き鳥二三本を買って隅っこで人の流れをぼんやり見ていた。と臙脂の浴衣に黄色の兵…

鶏牛蒡

涼しさにうっかり飲み込まれかけていると秋の物思いの季節にはまだ早いといわんばかりに暑さがぶり返す。味覚の季節本番までに体力を挽回して置かなければとかえって正気づくのがおかしい。 極幼いうちに鼈(すっぽん)を口にした記憶があり、濃いゼラチン質…

悪循環

明日は三十度を越えるという予報を聞くだけで参ってしまうというのに更に気力を削ぐような事件が続く。薄紫の光に包まれる夕暮れが美しいぶん悲しみがそれに被さる。

H2CO3

夏の疲れのためか胃がやられている。毎年あらゆる胃薬に縋った挙句、たどり着くのが炭酸水で、ジンジャエールやコカコーラ・ミツヤサイダーにえとせとら。。炭酸水は私にとっての秋の季語となっている。。重曹もいいらしいが重炭酸ナトリウム・重炭酸ソーダ…

天晴

あっぱれと読む。ただしこれだけでは意味を成さないので、今日の様な空を言うならば、天晴な晴天といわねばならない。 朝方洗濯をしながらぼーっと空を見上げていると銀色に光る飛行機が西のほうめがけて青い空を横切っていった。いい天気だと思っていた空に…

弓張月

夕刻にちょっと用を拵えて表へ出る。これから満月へと向かう半月が高くすんだ秋空に浮かんでいるのを見ることが出来た。

祭り

この土日近隣の祭りがあり子供神輿が商店街を練っているのを見かけた。御旅所で振舞われるかき氷を整列して受け取る子供たちを見て思い出したのだが、最近は山車というものを見ない。 町内を練り歩く山車の綱を引き、いくつかある御旅所でカキ氷やお菓子スイ…

梅酢

梅は漬けないが毎日の料理に梅酢をよく使う。梅干を扱う漬物屋の隅に醤油のペットボトルに詰められた梅酢が一本百円で売られているのを見つけたのがきっかけだった。薄紅色のにごった塩分のきついこの液体を如何扱うか試行錯誤すること一年余り、今や寿司酢…

真桑瓜

この夏またも食いそびれた真桑瓜。キンショウメロンというの似ているがそれすら見かけない。淡い甘さで薄く黄色い皮をむいて食す。歯ごたえがあって好物である。 何故見かけなくなったかと考えるに瓜とつく地味な名前が災いしているのではないかなどと思たり…

買い物事情

特売の卵を求めて何時もは行かないスーパーまで足を伸ばしてみた。目玉商品というのは囮で序に何か買わせるのがむこうの目論見であることは知ってはいるがあまりの安さに申し訳なくなりついつい他にも買い物をする。レジに並ぶと人様のかごの中身が厭でも眼…

虫たちの秋

オーシーツクビヨスビヨスビヨス。蝉にも油・みんみん・蜩などいて詳しくないのだがこれはつくつく法師だ。昨今聞かないなと思っていたら木立の多い近所の森で聞いた。九月に入って残暑はあるもののめっきり秋めくがミンミンゼミや油蝉の声に必死さが加わり…

新橋

汽笛一斉新橋をの新橋である。しかし私は新橋と聞くとまず新橋芸者のトレンドカラーである青色を思い描く。 祖母は芝(今の東京タワーあたり)の出で、人力に乗った新橋芸者と赤坂芸者が行きかうところをみていた。赤坂の芸者は政界を得意客に持ち、新橋は商…

九月

一年九番目の月。長月。菊月。色取月。 長月花。長月草とは菊の異称。菊という花は品種が非常に多く、色も多岐。厳しい暑さを耐えて月が変わった途端色彩の反乱が起きる。 色取月になりぬれば錦をさらす心地こそすれ。。気分はもう秋で元気出さなきゃ。