2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

早春賦

朝方、ベランダのバケツの水に薄い氷が張っていた。でももう冬の寒さではない。大気には水気やら花粉やら花の伝言といった、生命の熱気みたいなものが沢山詰め込まれていて、えらく密度が濃い。そして、ボッティチェルリの「春」の中の西風のように下品でが…

夕暮れ

春めいてきたとはいえ今日あたりの空の色は未だ冬だ。夕暮れ時、群青から西方の明るいオレンジ色にかけてのグラデーションを背景に、一番星二番星が鋭く輝く様は心底冷え冷えとして、吸い込まれるような美しさが人を寄せ付けぬ力を持つように、冷気で人を突…

幸せを祈ってる

毎年この時期、病のように襲ってくる眠気について思うとき、幼かった甥が、眠気がさすと本当に悲しそうに泣き出す子供であったことを思い出す。自分が眠ってしまった後、何か面白いことが起きるのではないかとでも思うのか、あるいは眠気に負けてしまう悔し…

はまったら怖いはねる音つまる音

事の起こりがあんぽんたん(安本丹)というのが笑える。。。 むしゃくしゃしていたのか独り言で、「あの安本丹が。。」アンポンタンあんぽんたん・・・ちょいと調べてみる気になって辞書を繰ってゆくと、人の悪口なんて言うものじゃない。深いは深い。ずぶず…

暫定小品

前にあの人物と出会ったのは何時だっただろう。ずっと考えている。それは今年の年明けに始めて立った市で。。 祖父に手を引かれて出かけた氏神様の秋祭りでのことだった。足取りもしっかりしてきた子供はこの年の盛夏、五つの誕生日を迎えた。祖父母から祝い…

昨日が遠い

思いもかけず忙しかった一日。昨日との距離の遠いこと。とおいこと。今日という日はなんだこれってほど時間に厚みがある。これから飯の支度をして、夕餉を済まして豆を撒くころまでがまた遠く感じる。時間に魔法がかかったような日。それもまだ終わっていな…

はるなんだな

冬の水やりは難しい。こう乾燥した日々が続くと、よっぽど水を欲しているだろうからと思うのだが、日が落ちると冷え込んで水分は氷るので、そうそうたっぷりと与えるわけにもいかない。 うちの日当たりの悪いベランダの雪もようやっと消えた。雪は少しづつ溶…