2014-01-01から1年間の記事一覧

師走の風景

クリスマスに正月の支度、根拠なき慌ただしさからなるべく距離を置くのが私の師走。早い話が逃げて隠れることに徹しようとする。悪あがきにすぎないのは承知なのだけれど... 十二の数字が一巡して一の表記に戻ったら今度こそ薄汚れた自分史を、まっさらから…

寒波

将軍の 一人天下に 凍りつく 街路を小僧が 駆けてゆく カサカサコソコソ抜けてゆく

存星

五島美術館「存星ー漆芸の色どり」を見にゆく。 漆芸をあれだけの量まとめてみたのは初めてだ。漆のねっとりとした質感。刷毛ではいてから、その刷毛目がならされて均一な面へと落ち着いてゆく速度に囚われたような、そんな漆芸の持つ魅力の訳の一端を引きず…

怪異

街には魔女や幽霊、南瓜の怪物たちが嬉しそうに飛び跳ねているけれど。。。部屋の中にいて突然、旋風(つむじかせ)に呑まれたように鼓膜が反応して、鎌鼬(かまいたち)にあったように髪の毛の中の一画をそがれた。何か悪いことをした覚えもないし、誰かの…

怪異

部屋の中にいて突然、旋風(つむじかせ)に呑まれたように鼓膜が反応して、鎌鼬(かまいたち)にあったように髪の毛の中の一画をそがれた。いわゆる円形脱毛。小鬼のような一陣の旋風の正体には心当たりがあったが、何か悪いことをした覚えもなく気分を害し…

風の単位

昼間の予報どうり外は木枯らし。「凩」とも書く。 春吹く風は一番二番。秋吹く風は一号二号。ってなんでだろう 女房言葉で擂粉木のことを木枯らしというそうな。そういえばすり鉢の中でリズミカルに響く音に似ているような。。 短く鋭い風の音 しばらく聞い…

ズッギューン!

「草の背を 乗り継ぐ風の 行方かな」余命を告げられた詩人が残した辞世の句「来む春は 墓遊びせむ 花の蔭」その詩人がこの辞世句を準備している闘病中に見舞いに来てのち自死にて逝った者に対して送った追悼の句その詩人、多田智満子。自死した者は矢川澄子。

読書の秋 照準は。。

加藤智満子(1930-2003)昭和5年4月1日ー平成15年1月23日 72歳 兵庫県神戸市灘区大石字長峰山・長峰山霊園 須賀敦子(1929-1998)昭和4年2月1日ー平成10年3月20日 69歳 (マリアアンナ須賀敦子) 兵庫県西宮市・甲山墓園 初めに何がきっかけで須賀に目をとめ…

夢考

明け方の肌寒さに目を覚ますと、やけに鮮明な夢からの目覚めで、軽い驚きを感じた。なのでそのままの形でしばらく夢を回想してみた。 夢の向こう側では、普通に生活をしていて、すとんと意識が途切れて、馴染み深い枕の上の頭は目を覚ましたのだった。 両方…

蒼穹に

綺麗に紅葉する前に散った緑の虫食い葉が 路上を舞う。 厳し夏を乗り越えた今頃の季節感 もう少し頑張って色とりどりに装いを整えてからにしたってよいものを… それを云う居残りし 者の傲慢もいつもの景色

不思議な世界

朝から天候の異変を伝えるニュースが流れ、人たちは荒れ狂った空模様に驚愕しているのかと思ったら、巷には静かなような、それでいて物寂しい風が吹いていた。 そういえば、今日が9・11だってまだ聞いていないな

あやかしの起源

涼風がたち 夏の頽れる(くずおれる)音が した 涼風とは晩夏の季語とあったが、ほんとは夏の盛りの季語だと思う。猛暑のさなか立った風にホッとして、風鈴の音に涼しさを感じる。実際は涼しくもなんともないのに涼を感じたと己を偽るのである。妖怪変化など…

えんらい

近隣の 花火の音か 遠雷か 夏の終わりを ふれる音のする 相変わらずの暑い一日の仕舞、薄れゆく光の中を、ぼんやりと過ごしていると、奇妙に落ち着き静まって行く様な、死の世界から生還する途上にあるような、何とも言いようのない安堵感のようなものが夕闇…

経験値

肺が痛いような暑さ。吸い込む空気が体温を超えた熱を有しているためなのだろう。体の熱が抜けてゆかない。なのに夜風呂に入ると暖かい湯にホッとする。熱帯夜が続くので温まりすぎると眠れぬ夜を過ごさなくてはいけないから、その辺の加減は要注意ではある…

夏の惨事

もう七月も終わる。。更新もついにひと月に一度になっちゃった夏の悪意に狙われたように、小さな傷が絶えない。小さくても指の先の切り傷は何をするのにもさわり、不自由を感じるものだ。それを右も左も負うと、もうもうこの暑さの中、自棄もやけ!火がつい…

夏越の祓

清し香の 茅野輪くぐりて 禊すは 虚空に遊ぶ 心持のする

捩花

昔、プロレタリア文学の文士たちが集まって住んでいたという一画がある太子堂の裏あたりを散策すると、小さな公園や民家の道路脇に捩花を鉢に植えたのとかよく見かけたものだから、捩花愛好家としてはこの時期、この辺りを散策するのが楽しみであった。 しか…

たまった。。。

下書き保存に書きかけが。。いくつか 梅雨入りの記事は没 気候に関するものみんな没 出したら出しっぱなし やったらやりっぱなし 悪い癖が治らない 年始年初機会あるごと直すと誓って幾年月。己を信じなくなって幾年月。いかんよな。。。 どうせなら誓い続け…

鬱蒼

いよいよに木々生い茂るさま鬱蒼として。。 鬱は、木々がこんもり茂るさま。蒼は、青という色を示す意味の他、草木のあおあおと生い茂るさまの意。合わせることにより意味合いは強調されて、圧倒されるような今の状況を表すのだろう。ちらちらと楽しげに踊っ…

青嵐の季節へ

芽吹きの粗方出そろったベランダ庭園では、植物たちのざわめきにも加速がかかり、種ごとの声が聞き分けられるレベルを超えようとしている。一丸となって緑の海へと傾れ込んでゆく寸前にあるのである。 これは何の芽吹きだろう。この芽はどんな形へ変化するの…

やっと卯月になったと思っていたら

のんきにしているばあいじゃないよ!明日から四月後半じゃあないか。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。薊もこんなに伸びちゃって、花咲く頃の背丈が心配。それに、この若々しく柔らかそうに見える棘は相当鋭く、ちょっと触れただけでもはっとするほ…

春霞

いまはただ はるをこうるころの ゆめのなか かすみたなびき かげろうのごとくゆれ今は未だ 春を恋る頃の夢の中 霞棚引く桃源の里

秘色色(ひそくいろ)

ちょうど今日の空の色。雲一つなくのどかで暖かそうな明るさに満ちているのに奥に暗い色調を忍ばせてみえる 青磁にはいろいろな色味があって、いわゆる空色もあれば、深く佇む湖の蒼もある。 五島美術館の中国陶磁器展を見た。青磁だけでもあらゆる階調のも…

風邪気味

毎年この時期の外出で風邪をひくのは今日のような晴天の日だ。風もない麗らかな日差しに騙されて薄着で出かけ、足取りがいつもより軽いのをいいことに過分に歩き汗ばんで、木陰でぞくっと来て、しまったと思う。毎年同じことをして学ばぬ愚かなのか、変わり…

それぞれのはる

『春めく』って云うのは寒さの最後のあがきのようなこのところの空模様をも含むのだろう。 期待と希望そして不安を行きつ戻りつする振れ幅の大きな気分を象徴するような低気圧と高気圧のせめぎあい。その鬩ぎ合いが生む凶暴な天候。呼応するかのように心身の…

夜嵐

夜嵐あけの本日も一日中烈風に支配されたような日だった 梅の花はすごいなと思う。この強風寒さの中を散りもしないで咲いている。今咲くからこそ持った力があるのだろう。 春先は春を頂く嵐とか、疾風・颯・太刀風(しっぷうはやてたちかぜ)と春一番に至る…

春へ

なんだろうこの速さは。。。一昨日は御一日なのでお赤飯を炊いて、明日はひな祭りで蒸し寿司をこしらえる算段。 二月には節分に撒く鬼打ち豆を炊きこんだ飯を幾度炊いたことだろう。節分用の鬼打ち豆は翌日には安売りされることもなく一斉に姿を消す。なので…

寒波

ベランダに出しっぱなしにしていた土鍋の底に数日前の夜降った雨水が底まで凍って厚いところで三センチもあろうかというドーム状の氷ができている。土鍋の中で水が氷るというのはよほどに寒いということなのだろう。泡が立ち上るよう封じ込められていて時を…

小春日

のけぞりて はるひよろこぶ うめのはな

億劫

ずぼら者の抱負おっくうも あますところは わづかなり 億劫とは、わずらわしくて気の進まないことをいうが、字面の意味でいうと、億も劫も気が遠くなるほど長い時を意味する。膨大な測定もできぬ無限を目の前にして身動きも出来ぬ状態でいるのに傍からは怠け…