2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

雨が新たな顔を見せる。遊び相手だったり、独り言の聞きてであったり、子守歌を歌ってくれる優しい顔に今まで見たことのない悪意が浮かぶ。それは慣れ親しんだものの裏切りのようで心底悲しく恐ろしい。

冬の記憶

冬の子供はコートなんて来ていなかった。ばかりか、半年着続ける制服のてかてかに光った短いズボン・スカートの下は生足にソックス、膝小僧や脛にに新旧取り混ぜた傷の足で、霜柱を蹴散らし、水たまりの薄氷を破壊しながらて登校していた。かぜっぴきはいた…

立ち上がる前に

考えるでもなく、でも何かが引っ掛かってボーっとしている。動きながら考えろよ!だ。 で、ほぼ日さんで期間限定無料配布している吉本隆明氏のヨブ記の講演を聞いてみる。まだ全部を拝聴していない。疑問がわいたところでいちいち中断していたら限定期間を超…

ロールキャベツ

今日はロールキャベツである。手持ちのうちの一番大きな鍋で春キャベツの芯をくりぬいたのを丸ごと茹でる。煮えたぎる湯の中で外葉から自然に解れてゆくのは大好きな場面だ。夕食の準備を始めるのにはまだ早い午後の時間、少ししたらクグロフの二次発酵を段…

ひな祭り

唐の大暦十四年三月上巳、代宗皇帝が在京各国の使臣を蓬莱宮に招いて曲水の宴を催したとき、ちょっとした紛争が起こった。南条範夫『燈台鬼』 昨日開いた頁が偶然こんな書き出しだった。上巳(じょうし)とは五節句の一つで、桃の節句、雛の節句、三月の節句…