点前は勝手ながらよく和菓子を買ってきては茶をたてる。練りきりのような上等な物ではなく駄餅屋の品物。椿の葉で挟まれた真っ白な道明寺の椿餅、塩漬け桜葉で包んだ薄紅色の桜餅。小さな皿に盛るのだがどうもしっくりとはこない。折角の気色は懐紙か塗りもの上が映えるだろう。今年こそは塗りの小皿の気に入ったのを見つけよう。
やきものなぞ見に出かけるくせに毎日使う飯椀なぞは漆器を使う。軽いし何より飯がお櫃に取ったようにいい具合に旨くなる。洗うのも楽である。まあ好みの問題なのだが、漆器の柔らかな質感が好きなのだ。