ほうじ茶

たねやの栗蒸し羊羹にほうじ茶。
秋の気配を感じると食器棚の奥にしまってある焙烙を取り出す。そしてじっくりと時間をかけて茎茶を煎るのだ。焦って焦がしてはならない。全体がちゃばんで薄い煙が立ってくると辺りは得も言われぬ香りで満たされる。この香り、浄化されるみたいで好きだ。むかし葉茶屋の辺りでよく嗅いだ香り。
煎りたての茶葉にぐらぐらの湯を注ぐ。澄んだはしばみ色のお茶は胃にも心持にも優しく好物の季節の甘味を引き立てる。あきだねえ