仕度

正月の仕度には独特の空気があって好きであったことがない。大人たちがあわただしく立ち働く様に、新しい年を向かえる期待感とか楽しみを感じたことがほとんど無いのではないかと思う。家族が打ちそろう時の緊張感が馴染まなかったのか新しい晴れ着とかお年玉という餌があっても好きにはなれなかった。特別な日、しかも全ての人が例外なく迎えるその日を恐れにも似た思いを持ってみていた子は今も変わらないがご馳走は作りすぎるほど用意してしまう。