縦しんば

継続は力なりというが、そうだろうか。よしあしに関係なく、継続というものはいずれ麻痺するものなのか。歳振れば酸いも甘いもかみ分けるというのも疑問だ。目も弱く噛分ける歯も心もとなく、長年にわたって研ぎ澄まされた先に在るのは賞味期限切れの吉兆なのかもしれない。


*たばこ*
だめだ もう受け付けなくなっているようで それでも火をつける理由は 煙なのだよね。魅了されている。され続けている。
いったん深く吸い込んで吐き出された煙の中に何かありそうな気がする。まだそれが何なのか見えてこないのだ。
色なのかもしれない。独特の青みを帯びた昇華された色合いが見て取れる、と思ったこともあるが、自信が無い。
あるいは、空気の間を優雅に上ってゆくその成分なのかもしれない。
よしんば世界が歴々と踏みにじられ捨てられてきた人間の妄想のなせる幻覚だったとしても魔法が解けたらどうしようというのもある。