異界に近い月

先月の七夕に近所のスーパーが笹飾を出していて、ぶら下がった短冊に子供の弾むような文字で「神様を忘れませんように」と書いてあったのがあって印象に残った。旧暦で言えば明日辺りが七夕なのだろう。
お盆の帰省ラッシュもこれからで、神も仏も彼の世も此の世もさほど興味が無いけれど花火や迎え火回り灯籠の蝋燭の炎で踊る陰などに紛れて彼の世から近しい死者たちが陽気にやってきているような、そんな気配は割と好きだ。黄泉の境界が暑さでほんの少し融けるのかも知れない。