琅玕(読書感想文草稿)

琅玕ろうかんと読む。現在わけあって眼鏡がないので少々書き写すのに苦労したがではなく跳ねが無いほうの文字でよいのだと思う。
輝石の一種、翡翠輝石のことで、中国で古来より珍重されてきた石だ。今開催されているオリンピックのメダルに使われていて嘗て無く重いのだそうだ。。
堀辰雄の紀行文を読んでいて谷崎の吉野葛をもういっぺん真面目に読んでおこうと思いたち・・
菜摘の里に初音の鼓を見せてもらいに行くところで彼は季節を頃は秋千紫万紅を黄色に置き換えた感と記していて、拝見が終わってすすめられる熟柿の色を琅玕になぞらえているのだ。実に見事な色の表現で質感までも感じさせてくれる。夏ばてで気分まで沈む中、この目の覚めるような赤色に一寸元気を貰った。
だが、あたかもゴムの袋が膨らんでぶくぶくとと言うあたりは矢張りな。。

  • 硬玉

玉は大概白か緑色である。中でも鮮やかな緑色を呈するものを翡翠と呼ぶのだと思うが、その滝つぼのような青緑色は吸い込まれるような不思議な色で、中華街の裏で豆の鞘をむく纏足の老婆の耳に見止めてから虜になった。翡翠のピアスを持つのが夢なのだが身につける勇気は無い。