夕顔
雑草で一寸変わった興味を引く芽を敢えて引き抜かずにとっておくと捩花のようなめっけものを手にすることもある。たいていはすかではあるけれど今年は今のところ夕顔ではないかと期待する植物が育っている。庶路庶路となよなよと撒きつくわけでなく絡みつくわけではくじわじわと伸びている。その様が源氏物語の夕顔のようだと勝手に思っているのだが果たして如何であろう。
勘違いも楽しめるもう一つの予想がむかごであるが二つ当らぬときは暴れる。
夕食に鯵の干物が一枚残ったので(敢えて余分が出るようにしておいたのだが)冷汁を作る。見様で拵えるのだが、味噌を杓文字に塗付けて火に翳して焼き味噌にする。後は只管(ひたすら)焼いてほぐした干物と擂り鉢であたりだし汁でのばして胡瓜の薄切り茗荷・紫蘇の刻んだのに豆腐を崩してを加え氷を入れる。コツは氷に負けないように濃い目に拵えることだ。夏だな。