勘三郎

数年前に精神的なものだったのだろうか、声を発することができないだとかで、休養をとったことがある。その時の不安そうな勘三郎の表情を忘れることができない。こちらも衝撃の様な漠然とした不安を覚えたからである。
彼は自分の未来を見たのではないだろうか。もしかしたら自分だけのではないかもしれない。でも、一人で何らかの悲しみや淋しさを抱えて笑わなくなったような気がする。
悲しみに次々気付いて増やしてしまう自分がいる。痛ましさと淋しさでつぶれそうに悲しい。