おもいいをかかえながらつらつらと

記憶はあいまいなのだがこんな逸話が頭に浮かぶ
漱石の晩年の話だ。胃病をこじらせて伊豆へ療養に出かけ、小康を得て帰宅の途、食事制限を逃れて気分も軽かったのだろう、何か好物を(饅頭だったと思う)口にしたらしい。そのため吐血し最寄駅から戸板に乗せられ帰宅したという。
小康を得たとはいえ吐血するほど胃病は悪かった。というより食欲もわかないのがふつうなほど重篤な病状だったのではないだろうか。が彼は饅頭を食った。
人がものを食うということを何ともいじらしいと感じさせてくれるエピソードな気がしてすきである。
食い意地って悪いだけの言葉じゃないんじゃないか? 食い意地がいい とかきれいとか。意地って心根とか気立てのことで、思うことを通そうとする心だものね