葛の葉

赤染衛門という人は千四十一年時点で八十五・六歳で存命していたという記録があり、大変長寿の人であったらしい。和泉式部集に

  • うつろはでしばし信太の森を見よかえりもぞする葛の裏風
  • 秋風はすごく吹くとも葛の葉のうらみ顔にはみえじとぞ思う

という赤染衛門との間に交わされた贈答歌がある。まるで女学生の会話のようだ。上が赤染衛門
葛の葉に和泉の国信太の森の白狐伝説を含ませてある。「恋しくば尋ね来て見よ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」 谷崎の「吉野葛」にもこの伝承が出てくる。