天平の甍

天平の甍 - goo 映画
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テレビで取り置いていたのを何回かに分けてみる。熊井啓、1980年作品。ナレーションで入る歴史説明が懐かしい感じがするのは、原作が井上靖である所為だろう。
学校から見に行く映画という感じがして、いささか堅苦しく退屈な印象だが、田村高広・中村嘉葎雄草野大悟など好きな役者で固められた画面を追うことは苦ではなかった。
登場人物のほとんどが僧であるせいか、物語が進んで行くに従って、戦争映画か?これ、という感じがしてくる。舞台は八世紀、遣唐使船で荒れる海洋を乗り越える場面だったり、漂着先の南洋でマラリアに苦しんだり、大陸の荒野を果てしなく旅をしているところだったり、そんなシーンに太平洋戦争の日本兵のイメージが重なる。もうじき終戦記念日だからだろうか。
この国が形作られていく過程の各時代で、国家をよりどころに戦って、死んでいった人々が累々といるのだ。この映画はそういっているようにおもえた。
終戦記念日や原爆投下の記念日は何時歴史の一ページになるのだろうか。