唐招提寺

唐招提寺修復の番組を見た。一寸前に映画「天平の甍」を見ていたので尚のこと興味深く見れた。番組は2001年制作のもので再放送であった。十年に及ぶ平成大修復の始まりを記録したもので、、すると今年その修復は終わったのだろうか。
唐招提寺は国宝でもあり世界遺産の指定も受けているが、現在も律宗の総本山で、今なお宗教の拠り所だ。簡素ながら優美な佇まいの美しさは、内に宿る精神性の所為もあるのだろう。故に鎌倉・江戸・明治大正と修理改築修復が繰り返しなされ、現在に至っているのだと思う。
開祖鑑真の故郷中国から僧侶が訪ねてきていて、中国では改修、つまり立て直すという考え方しかないといって、修復工事を準備する作業を、新たなものを見るような目で眺めていたのが印象に残った。(修復とは繕い直すこと、改修とは改め直すこと)
中国の僧侶の考え方にも一理あるようにおもう。平成修復プロジェクトチームは現状維持を言いすぎているような気がした。生きている宗教を思うなら、改修こそが本筋なのではないだろうか。技術を駆使しての保存が何の為かと言ったら、技術の為にとしか見えず、精神性への敬意が抜け落ちているようにすら見えてしまう。進歩の果てにいるのだろうか。今