観劇

日比谷の帝劇が百周年を迎えたということで、先週あたりテレビで劇場中継とかやっていて少し見た。
帝劇で何を見たかな。何か見ているのだけれどあまり多くはない。スポンサーの祖母が、ここの出し物をあまり好まなかった所為もある。舞台が大きすぎて細かい芝居のニュアンスを味わうというより、大仕掛けのエンターテイメント仕様が、人間のサイズの限界を感じさせて、楽しさに水を差す。
三島由紀夫の「癩王のテラス」はここで見た。岸田今日子村松英子、疎覚えながら北大路欣也が王役であったか。これは役者の御蔭か席位置の御蔭か、記憶の中で内容が大きさ広さに勝っている希少な例。
芝居見物というのはチケット取りから、出かける日に至るディテールを楽しむ楽しみというのがあって、何を着て出かけようか、中休みに一寸口にする弁当は何にしようか。引けた後のお茶は日比谷の何処で?いっそ銀座で軽く食事して帰ろうか。付随する華やいだ遽しさの中の昂揚した気分。
ああいう楽しさ、何処かにないだろうか。。。嘆息