えんらい

近隣の 花火の音か 遠雷か 夏の終わりを ふれる音のする 
 

相変わらずの暑い一日の仕舞、薄れゆく光の中を、ぼんやりと過ごしていると、奇妙に落ち着き静まって行く様な、死の世界から生還する途上にあるような、何とも言いようのない安堵感のようなものが夕闇とともに降ってきた。これでこの夏も乗り切れたということなのだろうか。。

晩夏という言葉があるけれど、晩夏は挽歌の異称と云ってもいいのではないか? 遠雷を聞きながらそんなことを夢想していた。



挽歌:古く中国で、葬送の際、棺を担う者が歌った歌が基だとされる。死者を哀悼する詩歌。ゴスペル