夢の素

暮れにジャン・ジロドーの「オンディーヌ」の新訳(といっても初版2008年)を手に入れ、この際だからフーケの「水妖記」とも比較して読めば面白かろうと欲張った所為だろう、なかなか読む暇もない。それでも気まぐれにヨーロッパの伝説を調べたりしていると、鏡花が「夜叉ヶ池」の参考にした可能性もあるのではないだろうかと、ふと思った。ので引っ張り出したわけ。。
まあウンディーネ伝説に触発されて生まれた作品は芝居だけではなく数多あるし、年代別に比較検討を始めると別の方へ行ってしまうので大概にしておくとして、裏切りの果てに死んだ恋人に向かって記憶を失ったオンディーヌは言う「生きていたら恋をしたでしょうに、残念だわ」 この結末が気に入っている。
ちななみに、睡眠時に呼吸不全に陥る、先天性中枢性肺胞低換気症候群という病があるそうだ。別名「オンディーヌの呪い」あるいは「眠ると死に至る魔法」という