2015-01-01から1年間の記事一覧

春は食卓にいち早く出現する

立春からこっち、菜の花のおひたしに青豆のピラフ、芹の御飯に新じゃがの煮物などなど、買い置いた鬼打ち豆で炊く好物鬼打ち豆ご飯の出る幕がない。 昨日などは夏蜜柑はいくらなんでも早すぎるだろうと視野の隅に追いやっていた熊本特産甘夏をついに手に取っ…

赤い月

数日前。確か明け方から雪が降り、大雪になるだろうという予測が出ていた夜に入ろうとしていた日暮れ。 明るいうちから出ていた十六夜の月は(そう十六夜!好きな月齢であるから確かだ) 濃さを増す空との境界を際立たせながら東の低い位置で膨張しながら赤…

梅の香

梅の香に虜にされて彷徨うのは恋情に突き動かされた物狂い人のようだ。 梅の香に限らず、遠く何処からとはなしに漂い来る香り、たとえば沈丁花とか金銀の木犀の香りは別次元から吹いてくる風に乗ってやってきて、鼻孔だけではなく皮膚などからも染み入って脳…

氷雨の霖霖降り続く

霖:りん・ながめ・ながあめ 長く降り続く雨の意 淋淋と書いても同意ではある けどさみしいのダブルはかなわない 霖霖とは雨がしとしとと降り続くさま 淋淋とは水が絶え間なく滴るさま 雨が霖霖 雨だれ淋淋氷雨って夏の季語だって知って驚いたのだけどあえて…

気配

立春を前に早かろうかと思うが、春の気配を感じて慄く心持もある。 時候とは動くもの。本日などの寒さなんかは骨までしみとおるようではあるが、もはや真冬の一本筋の通ったような凛としたものはないように思う。雑味を多く含んだ早春のねちっこさのある寒さ…

風蘭

年明けのぼろ市へ出かける。暮れに地方物産店で購入した冬蝱の干椎茸で乾物寿司を作ったところ上手くできて干し椎茸というものは旨いものだなと思った。もう少し買っておけばよかったと欲が出たが、保存がきくといっても長くおくのはよろしくない。迷ったあ…

おさんぽ

関係は終わったわ。証明されたの。愛の欠けていたことが 『冬の光』のイングリット・チューリンみたいhttps://www.youtube.com/watch?v=KxAbU82S4uE

五島美術館「茶道具取り合せ展」

贔屓の武蔵坊もあり、他のも十分楽しめるものではあったが、特集展示「茶箱・茶籠」には大変和ませられた。このセンスがこの美術館の魅力だろう。この春は及びもつかぬながら自分なりの茶箱あるいは茶籠を誂えてどこかへ出向こう!そんなわくっとした気持ち…

小正月

久しぶりのまとまった雨。寒くはあるが湿度が心地よいと実感する。ここしばらく気になっていた咽喉の奥からせっついて出てくるような乾いた咳が今日は出ない。 寒くはあるが、小正月であり明日は藪入り。庶民にとっては心持暖かくゆるりと一日を過ごせる日乾…

迂路

師走も切羽詰った頃、不確かで想像の域は出ないのだけれど小さな疑問に道が見えたことがあった。 家の露台の片隅に十年以上生息する山椒の鉢を一つ持っていて、春には眼福舌福ともに満足させてくれる友のような存在になっている。が手狭さゆえの悩みもあって…